顔料プリント・染料プリントとは

弊社では環境や健康への影響を考慮して主に顔料プリントを主に採用しています(染料プリントは協力工場も加えて加工しています)。誰でも安全に扱える素材を使って、いかに使用に耐えるタオル製品に仕上げるかを考えています。プリントはどこでも同じではありません。真摯に技術と経験の積み重ねが重要になります。

顔料プリントについて

顔料とは、水やアルコールに溶けない、所定の色を呈する不透明物質です。その顔料を、接着剤のような役割の合成樹脂液(バインダーと言います)に混ぜて攪拌し、染め液を作ります。顔料プリントとは、この染め液(顔料液)をシルクスクリーンを張った型に流し込み、タオル表面に捺染し、過熱処理(ベーキング)を行う直接捺染法です。

上記をもっと分かりやすく言うと、絵の具のプロ版を使い、型を通して生地に直接生地に染め付け、乾燥機で乾かしたものということになります。

顔料プリントは、素材と工法の総称で、染め液そのものは当社(三和タオル)のオリジナル素材となります。顔料プリントというと色落ち、色はげしやすいというイメージがつきまというますが、長年の試行錯誤により濃色でも高い洗濯堅牢度を維持できるようになっています。

顔料は染料に比べて柄のエッジが立ちやすい傾向にあります。また色の調整がしやすいものでもあります。プリント後洗いの後加工が無いため、風合いが堅くなりがちになりますが、洗濯を重ねると解消されていきます。価格面も下がりやすくなります。
何より、仕上がった製品のタオルの形が美しくあがります。

染料プリントについて

顔料と同じように、捺染糊(染め液)を使ってプリントを行います。シルクスクリーン型を使って刷る方法もおおよそ同じになります。
プリント後、高温蒸気で蒸してから、洗い(洗剤によっての洗いと水洗いの加工)の加工を行います。洗いの加工が加わることにより、柔らかい風合いに仕上がるのが特徴です。
プリント加工後、約2~3%程、タオルの長さが短くなります。
高温蒸し、洗いの関係で、完成後のタオルに縮みや多少の歪みが生まれます。

デザインも顔料プリントに対して多彩な表現が可能です。代表的なのが、生地端多色で断ち切りのデザインが可能になります。

プリント種別の違い

顔料プリントと染料プリントには次のような違いがあります。

    • 顔料は特殊樹脂などの力で高温定着させる。
    • 染料は高温蒸しによって反応定着させる。蒸しと洗いの後加工が加わる。
    • 顔料の方が環境負荷は少ない(水、溶剤、熱量、水処理量が減る)
    • 風合い、柔らかさは染料の方が優れています。

染料プリントには、「蒸し」や「洗い」のような工程が増えます。一方顔料はプリントした後、乾燥の工程(ベーキング)で色の定着を行います。加工工程から価格差が生じやすいのと、仕上がりの風合いが異なります。

シルクスクリーンのプリント種別でみるタオルの特徴

顔料プリント
仕上がった直後は薄手に感じるが洗っていくと風合いが増す。デザインが鮮明になり、黒以外の発色が鮮やか。タオルの形崩れが無い。仕上がった製品の形が綺麗。
小ロットから(極端には1枚から)製作しやすく、リピート時の負担が少ない。
染料プリント
風合いが良く、ふわふわした感じに仕上がる。肌ざわりが良い。加工工程が多いため、デザインがボヤっとした感じに仕上がる場合もある。黒などの濃色が鮮やかに仕上がる。納期が顔料よりも長くなり短縮しにくい。リピート時の負担が大きい。
追加時含め、50枚以下の製作は出来ない。100枚以下の製作は高くなる。
蒸し、洗いを行うため、仕上がった製品に部分的な縮みや歪みが生まれる。

染料プリントにおける蒸しブレ(色ブレ)に関して

染料プリントは、プリントに加えて、蒸し、洗いの加工があります。蒸しは、素材に色を定着させる重要な工程です。プリントは同じ工程発色で行われても、蒸しの工程において、若干の反応の誤差が生じる場合があります。これが同じロットの中でも色がブレてしまう原因となります。これは染料においてはどの色でも多かれ少なかれ起こっていますが、グレーや青系の色が分かりやすい違いを生みます。一度作りリピートなどで再度同じように作っても、ロット毎の違った蒸し反応になる可能性は避けられず、これが違いを生みやすい原因にもなります。極力同じようになるように努めていますが、綿糸の誤差、織りの誤差、シャーリングカットの誤差、時節など要素なども関係してくると考えています。その為、若干の誤差はご容赦いただけますようお願い致します。
この点のみを避ける場合は、顔料プリントの方もご検討ください。

持続可能な環境への取り組み

プリントに使用し、道具・材料を洗浄した水をどのように処理をするのかというのは大きな問題になってきます。水処理はそれに携わった人間でないと分からない、試行錯誤の難しさがあるものです。弊社では、できる範囲の精進をするのも、地域に根ざした企業のあり方だと考えています。

日本は水が豊富な環境にあり、他国に比べて水に対する認識の甘い部分があります。水は貴重な資源です。それをどのように循環させるかが未来に対して今使用している人の責任になります。

弊社は顔料プリントを出来るだけ推奨しています。顔料は粒子が粗いため、水処理がしやすく、色そのものも移染しにくい性質ももっています。また製造時の水の使用量が少ないのも特徴になります。タオルとして不満として上げられていた色落ちも、タオルに継続して定着している色は随分良くなり(洗濯堅牢度)ました。最初余分に付いている色は初めのうちは洗濯により落ちますが、タオル上の色が無くなるわけではなく移染しにくい性質もあります。何より安全な素材である点も大きいと考えます。

弊社のタオルが天然繊維、綿製品にこだわっているのもその一つです。循環し続ける社会を作るのが未来にたいしての責任になると考えています。

色をめぐる環境

どんな色でも出せますというような時代もありましたが、現在でも多くの色がアミン規制などの対象となるなど、どんな色でも出せますというのは非常に困難な状況となってきました。限られた範囲の中でお客様の要望にどうやって応えるか日々研究でもあります。

タオルは肌に触れる物です。当然これからも問題のない色原料を使うべきであり、色の環境もたえず変わりゆく物だと踏まえ、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。

家庭用品規制法における特定芳香族アミンを容易に生成するアゾ染料の規制に対して弊社は対応しております。弊社はゼロアミン対応です。日本産業繊維連盟の繊維製品に係る有害物質の不使用に関するガイドラインに添った不使用宣言書が必要な場合は弊社にて製作時に申しつけ下さい。

三和タオル製織株式会社0773-58-2218受付時間 9:00-17:30 [ 土・日・祝日除く ]

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