顔料プリント(捺染)とは?色落ちは?

顔料プリントとは
顔料とは、水やアルコールに溶けない、所定の色を呈する不透明物質です。その顔料を、接着剤のような役割の合成樹脂液(バインダーと言います)に混ぜて攪拌し、染め液を作ります。顔料プリントとは、この顔料液をシルクスクリーンを張った型に流し込み、タオル表面に捺染し、過熱処理(ベーキング)を行う直接捺染法です。
上記をもっと分かりやすく言うと、絵の具のプロ版を使い、型を通して生地に直接生地に染め付け、ドライヤーで乾かしたものということになります。
以前、小学生向けのイベントで、Tシャツに直接筆で顔料液を使い絵を描き、オリジナルTシャツを作ろう!というイベントをしたことがあります。この時使ったのが落ち葉や枯れ枝で、この落ち葉を型として塗りプリントを行いました。
いわば、誰でも安全に扱える素材を使って、いかに使用に耐えるタオル製品に仕上げるかを考えたのが、三和タオル製織の顔料プリントです。
顔料プリントで黒色(濃色)を使う場合
顔料の黒は、パッと深い黒ではありません。どうしてもワントーン落ちた黒となります(喪服のような真っ黒ではなく、人により少し黄色っぽかったり、グレーっぽかったりするように見える場合があるという意味)。これはタオルの場合、毛先(または表面)が光をひらう為です。顔料の黒である以上これ以外の色はありません。また、黒の場合は仕上がりが少々固めとなります。これは黒の色が固い為ではなく、色落ちを弱くするためです。また同じ理由により、少々焼け焦げたような(個人差あり)臭いがする場合があります。これも色落ちを弱くするための工夫によるものです。
黒は問題の起こりやすい色で、洗剤の漂白作用、柔軟作用によっても、色がはげた、落ちやすくなる、タオル裏面の素材の細かい毛羽載り、風合いのムラなどが可能性として考えられます。 黒より濃い色は無いため、タオル生地の白とのコントラストにより、どうしてもそれらの事が目立ちやすくなります。
顔料ベタプリントとは、オーバープリントとは?
ベタプリントにはいろいろな方法がありますが、弊社では1枚づつのタオル生地に対してオーバープリントを行うピース捺染をと言うのを行っています。一部パイル生地でも対応しているものもありますが、ベタプリントは基本的にはシャーリング生地に対してシャーリング面に行います。そのため、表面のみに色が付き、裏面は白生地のままとなります。カラータオルに対してのベタプリントは配色の難しさから、ほとんど行った事がありません。
色落ちはどうなの? 風合いについての研究。
基本的に、どのような染め・プリント方法でも、元々その色でない物に色を付けるわけですから、まったく落ちがないわけではありません。もし、まったく落ちない方法があるとするならば、それにはそれなりのかなり深い理由があるということになります。タオル製品の顔料プリントの場合、一番難しいのが風合いが良くないといけないという点にあります。そこには顔料をしっかり定着させると、そこに固定させるから固くなってしまうというジレンマが起こります。
ソフトな風合いと、色落ちを出来るだけさせないというのは、実は相反する場合もあり、製品である以上いくらお金が掛かっても良いということにはならず、そこが今でも試行錯誤している難しい点になります。弊社は現時点で平成20年2月頃に大きな改良を加えました。また、その後長く経験とデータを集めて、また改良を加えるという流れになっています。具体的な話が決まり、心配ならば最近の参考サンプルを送付いたします。
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色の再現性について
色の指定はDIC、DIC日本の伝統色、パントーンにて受け付けておりますが、パントーンに関しては、送付を依頼する場合もあります。再現性の難しいのは、鮮やかな黒、鮮やかな赤、薄すぎる色、濃いすぎる色、紺の紫系統など微妙な色合いなどになりますが、一番問題になりやすいのが、黒となります。いずれにしても紙ベースの物に、タオル生地で合わせるのですから難しくなります。しかし、極力色を合わせる努力をしております。
一番問題になりやすい黒に関して言うと、パッと輝くような黒は顔料では無理です。若干トーンの落ちた黒となります。
柄、線、の再現性について
まず、紙の印刷のようにはなかなか出来ません。
タオル、そして手拭いは吸水させるための物で、その素材に色を付けます。なので厳密に言うと、データそのままにプリントできる、再現性が一定になると言う事はありません。当然、綿素材そのものをみても、吸水性にバラツキがあるので、一定の圧力で染め液を入れても、同ロット内で線の太さが微妙に異なるのはあり得ることです。また、織り物素材としてみても縦糸横糸で構成された織物であり、不規則な形をとれるものなので、それに対して同じ型を使っても、まったく同じ形状のままでいられるものではないので、紙の印刷物のようにはいかず、大きさが微妙に異なるのはあり得ることです。
ただこれらは上記の事を踏まえた常識の範疇のことではあります。
タオルに白色プリントが出来ない理由
タオルに白顔料のプリントは行いません。なぜなら、白の顔料は素材そのものが荒く、固くなるためです。絵の具で白だけ固いな、と思ったことはありませんか?。Tシャツなどで行われているのは、固くボロボロと崩れてしまう対策としてラバープリントが行われています。
上の画像はカラータオルに白のラバープリントテストを行ったものですが、タオルの中まで顔料が染み込まず、なおかつ下の生地色に負けてしまい、黄色っぽくなっているのが分かります。風合いは非常に固く、手に持つとプリントをした部分が痛いくらいに感じます。ラバー量を調整しても、白が薄くなるばかりで、風合いはさほど変わりませんでした。
なぜ顔料プリントだけなのか?染料プリントを行わないのか?
まず、顔料プリントのみを行っていると、風合いの指摘、発色性の指摘を当然受けます。同業者からは染料プリントを行わないことに際して過去離れていかれたお客さんもおられる事も事実です。それは昔から悩みの一つではありますが、実際にタオルプリント事業を行う者として、もう顔料プリントのみでいこうと区切った部分もあります。
タオルの捺染には非常に多くの染液が必要となります。その際、すべてがタオルに吸い取られるわけではなく、ベタプリントなどを行うと排水として染液が出ます。また、染料の場合、洗い、蒸しの工程が必要な為、大量の水が必要となります。大きな問題はこの排水の処理をどう行うかが問題となります。
簡単に言うと環境の問題なのですが、顔料の場合、比較的原始的(吸着剤や攪拌モーターなど専門設備は使いますが)な処理層・設備で処理を行う事も出来ますが、染料となると、かなり大がかりで莫大な費用の設備と水が必要となり、自社で責任のとれる範疇として顔料によるプリントしか行わないわけです。
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