顔料プリントは「ソフト顔料」プリントですか?

ソフト顔料という言葉は、実際に色を取り扱う者にとっては少し戸惑う用語です。
顔料プリント液は主に、顔料(色の元になるもの)+バインダー(色糊:主に白色)で構成されたものを言います。
顔料にはいくつかの色素材メーカーがありますが、タオルに向いた安全な色素をピックアップして使います。CMYKに代表される(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)のような単純なものではなく色の元になる色素をそれぞれ混ぜ合わせて任意の色(赤や青や)を表現します。

バインダーは顔料の場合、定着液のことを指します。バインダーの重要な成分は樹脂になり、この樹脂が柔らかい風合いのものだったり堅い風合いのものだったりします。ただし柔らかい風合いのものは洗濯堅牢度が低いです。樹脂は様々な種類があり、たとえば紙糊なんかも成分を見てみると樹脂と書いてあります。絵の具の中にも混じっています。樹脂の選別は非常に難しく、確かに色素業者にソフト顔料お願いと言うと配合したものを持ってきてくれたりします。パックにして持ってきてくれるものをインスタントバインダーと言います。これに対してこだわるところは自社配合したり指定配合したりするわけです。

弊社は自社配合していますが、上記にも書いたように洗濯堅牢度と風合いのバランスが難しく、出来るだけ柔らかく仕上げたいし、洗濯堅牢度も維持したいという狭間で考え現在の製品になっています。

昨今は色素材のみならず、タオル素材の研究も進んでおり、顔料プリントはタオル素材の影響も大きく受けることから、素材作りも重要な要素になっています。
特に弊社のシャーリング素材タオルはより顔料にも向いたタオル素材になってきており、比較的柔らかい風合いになっていると思います。

この記事を書いた人

藤田昌己
藤田昌己
奥京都である福知山市でタオル製造を行っているタオル工場で育つ。タオル製造をはじめてから3代目にあたる。
小さなタオル工場ならではの製品づくりに、日々奮闘しています。運営に携わりつつ、現場での作業も行っています。
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