思い描く色と仕上がりの色をできるだけ合わせるために打ち合わせをする。タオルという素材による発色の制限や、顔料や染料の色素材の特徴によってそれぞれ難しさが異なります。それをすりあわせて、できるだけイメージに近付ける為に打ち合わせを行います。
製作・プリント方法による違い
- シルクスクリーンプリント・・・・・型を使って刷る方法。色の材料として、顔料・染料の2種の種類がある。←詳細はこちら 顔料は再現性・安定性が高い。 染料は風合いは良くなるが、ロット毎のブレなど再現性として不安定要素があります。
- インクジェットプリント・・・・・CMYKの色構造によるインクジェットプリント染色。色材として顔料・染料の2種類がある。型数に縛られない豊富な色対応など一見何でもありのようで、一方CMYKの細かい点の塊による再現であるため、縛りもある。素材の縛り、シルクスクリーンと比較して、素材に対して色の浸透度が低いなどもある。
- ジャガード織り・・主に2色使い(白含めた)、定番の色糸により対応。
ジャガード織りのページにて色見本画像掲載。 - 捺染タオル・・・・4色のみで対応。紺、赤、オレンジ、小豆。色見本捺染タオルページに掲載。
シルクスクリーンプリント方法における色の特徴
顔料・・・・再現性・安定性は高い。ピンクなどの蛍光色は顔料の方が発色が良い場合もある。
数種の色チップをピックアップして送付して確認いただく事を行っています。ここで示す色チップとは、タオル上に実際に載った色チップになります。
染料・・・・近似色再現となるため、出来る限り画像(デザイン画像)の状態で打ち合わせを行い、場合によってデザイン画に合わせたPANTONEチップ1種をお付けして最終確認を行います。顔料の色チップを代用して確認を行い製作、その方向を元に製作を行う場合もあります。再現性で苦手な色があります(青、グレー)。色ブレの理由詳細は顔料・染料の説明を参照してください。
インクジェット染色における色の特徴
顔料・・・・細かい柄に向いており、デザインの再現性が高い。暖色系の発色が良く、寒色系の発色が劣る。デザインの滲みなどが非常に少ない為。写真や総フルカラーのデザインでは必須対応となる。
染料・・・・発色が良く、風合いが良い。色の再現が難しい。極力再現を望まれる場合は、完全データ物で、色数がある程度絞られたデザインで対応を行っています。これは再現データを作るのに限度があるのが理由です。
色の打ち合わせの方法(デザイン制作時)
画像や写真の色を参照する
デザインの画像(JPEGなど)やデザインデータ画像を元に打ち合わせを進める、参照する方法。
もしくは、例えばチームタオルを作る場合、ユニフォームの写真や旗などの写真、パソコンで製作された画像などを見せていただく方法、などが考えられます。その画像を元にデザインレイアウトを作成し、打ち合わせを進めていきます。完全データでの入稿の場合は、参考になる画像を別途見せていただく場合もあります。
弊社でデザインを制作請負した場合
顔料シルクスクリーン・・・・色確認資料を送付し、こちらから提案する数種の色チップから選んでいただきます。
染料シルクスクリーン・・・・デザイン確認画で極力色の方向性をデザイン画像で決めていきます。それを元にこちらから色の方向性を決めた資料を送付しています。
染料・顔料インクジェット・・・・・色は完全にデザイン画像内で打ち合わせをすませ。そのデザイン画を元にこちらで極力近づけるように製作します。
DICカラー、PANTONEカラーを参照する
DICチップ(大日本インキ化学が出す色見本)やPANTONE(アメリカの企業が出す色見本帳)の番号で指示をいただくと、それを参考に色作りします。DICチップ、PANTONEチップはそれぞれ弊社で所持しております。
濃度や色の具合によっては再現しにくい、まったくできない色がありますが、それは指示いただいた時、分かる範囲ではお答え出来たりします。また色は出ていても、タオル表面の仕様、具合によっては違った印象を受ける場合もあります。
厳密には素材上チップとまったく同じ色が出るわけではないので、
顔料プリントの場合は、近似色、もしくは近い色の色チップ(タオル上の参考色)を数種送付して確認を取るようにしています。
染料プリントの場合は、指示色を目指し製作を進めます。染料プリントの色ブレに関しては、染料プリントの説明ページを参照してください。
DICカラーガイドとは、大日本インキ化学株式会社が出版する色見本帳のことです。弊社では現在DICカラーガイドのPART1、18版(13版も有)、PART2、3版を主に使用しています(古すぎるDIC版は色が異なる為、対応出来かねます)。また、「日本の伝統色 第7版」「フランスの伝統色 第5版」所持しています。
PANTONEカラーガイドとは、アメリカの企業が出す、色見本帳。グラフィックデザイン、印刷、テキスタイルの業界で使われる見本帳です。色の見本が多いのが特徴です。最新の「solid coated uncoated matte」にて確認出来ます。
- 目安にはなりますが、チップと同じにはなりません。
- 使用している色の原材料の関係で、出ない色もあります。
- 色チップ(実例)郵送を併用しています(顔料シルクスクリーン対応)。
イラストレータースウォッチのDICカラーは色の濃度や見た目が異なります。末尾にsが付くDICカラーです。そのため画像色としての対応となります。DIC指定やPANTONE指定はあくまで実際のチップによる指定となります。
色の参考になる送付物を参照する
色の参考にして欲しいと何かしらのチップや物を送っていただく場合もあります。まずそれを拝見した後、打ち合わせの方法を決めていきます。綿素材とは違う色素材が使われている場合は色が出ない場合もありますが、大きくは外れないよう努めています。染料プリントの場合、光沢が出るので少し白っぽく見える場合もあります。
お客様で出力したものを郵送していただく方法
ここまでの色合わせ方法とは逆に、出力されたものに出来る限り合わせる事も出来ます。その場合、薄暗い紙、照かりのある紙、写真用紙などは使用しないでください。また、色ごとに四角いチップ的な物も同時に出力してください。送っていただいた参考用紙は色合わせの時に汚れる為、返却はしておりません。
「思い」や「感覚」の難しさ
「思い」「感覚」に関する色再現は難しいです。人の色の感覚は育ってきた環境にも影響されます。これは、同じ顔を持った人が2人といないのと同じくらい様々です。人が社会で生きていくのと同じくらい、ある程度許容を持って捉えていただければ幸いです。
一般的な~色
この「一般的な~色でいいですよ。」という希望が一番困ったりします。普段いろんな色指定に囲まれ、色の中で生活している私たちの感覚からすれば、一般的な~色というのが無くなってしまうのが現実です。
色は無限です。一般的な、という指定の場合はお任せだと判断させてください。もしあなたの一般的な色とはずれた物が届いてしまった場合にはご容赦願いますようお願い申し上げます。
例えば「よくある紺」
紺と言う色は、日本人に馴染みの深い色です。これは藍の色の感覚が生活の中に残っているからですが、それゆえ色の中で一番幅が深く、難しい色となります。
単純に挙げるだけでも、紫っぽい【茄子紺】、冴えた青紫といった【紺青】、華やかで明るい【花紺】、黒っぽい【濃紺】と微妙な塩梅によって異なります。「よくある紺でいいですよ」と言う場合もお任せだと判断させてください。DICで言うと433番辺りで設定させていただいております。